あるお水に誘われた(その2)
私にイラストを依頼したKさんのお仕事は営業である。
何を売るのかと言うと、『微酸性次亜塩素酸水』の生成器である。
『微酸性次亜塩素酸水』というのは、『希塩酸を原料として無隔膜電解槽で電解し、得られたpH5~6.5、有効塩素濃度10~30ppmの溶液』なんだそう。なんだか、それって身体にいいの??と聞けば聞いただけ難しい内容である。
出来上がったお水は、無色透明で特に味は無く、臭いもほとんどないんだそう。食品を殺菌した場合も異臭味の発生は無く、食感や栄養成分への影響もないのだという。早い話が、口にシュってしても平気な、ノンアルコール除菌液。
その除菌消毒液みたいなものを作る機械を、家庭をターゲットに売るのだそうで、堅い機械を柔らかいイメージにする為に、私のイラストが必要なのだとおっしゃった。
食品工場などでは既に使われているようだが、家庭レベルでどうするの?という疑問。Kさん曰く、うがいに使う場合、薬が要らないのだそう。冬は加湿器に入れたり、風呂に入れたり、室内の観葉植物の根元にかけると、よく発生する小虫もいなくなるという。
なによりもKさんは、この『微酸性次亜塩素酸水』を調べるうちに、美容と健康に効果がある事がわかってしまった。
『私のおでこ、チリメン皺でいっぱいだったんです』というKさんのお肌はぴかぴかなのである。
私は、とりあえずその生成器を使わせて戴けるようお願いしたのだが、誤解のないように、Kさんは私に生成器の使用を奨めたわけではない。百聞は一見に如かずは、私の性格である。
最初に驚いたのは、台拭きであった。梅雨時だとか菌が発生しやすい時期、なにかこう嫌な臭いに覚えのある方は多いと思う。除菌効果のある洗剤で洗っても、その時だけでまたすぐ臭いはしないか?
ところが、ボールに生成した水を入れて浸して数分でである。何も臭わないし、ゆすがなくて良いし、それが長持ちするって凄い。。。てか、ありがたい。。。
さて、その美容法であるが『フルハート』と命名。生成した『微酸性次亜塩素酸水』とスクワランオイルを使う。
ケガした後の傷からは、傷を治すために必要な成分が含まれた『創傷治癒』に重要な『滲出液』が出てくるのに、ガーゼを当ててしまうと、治癒に必要な成分を吸収されて乾燥してしまって、自然治癒効果が出ない。
そこで、傷にラップ等の水を通さないフィルムを当てて密封すると、傷は常に湿った状態になり、人間が持っている自然治癒能力が最大限に活かされるというわけ。
この医療技術である『閉鎖湿潤療法』・『ラップ療法』の原理を利用したフルハート美容法は、年齢や性別を問わず、誰でも簡単に試せる。
補わず、自分の持つ力を引き出してゆくという新しい美容法である。
この美容法は、皮膚表面を刺激することで、皮膚の中の免疫細胞や脂肪細胞の働きを活発にし、皮膚の損傷が治る反応を利用して肌の状態を改善させる。このときにヒスタミンという物質が放出されていると考えられ、最近、神経ヒスタミンに内臓脂肪を減らす作用があることがわかってきたらしい。
まあ、フルハートの場合、炎症に関わるヒスタミンなので、体脂肪を減らすヒスタミンとは受容体が違うのだが、別にダイエットした覚えもないのに、この美容法を続けて痩せたという人がいるので、何かしら良い影響があるのでは、とKさんは考えている。
やがて依頼のイラストは完成し、じゃ、営業販売頑張って下さいとお別れしたのもつかの間、再びKさんからご連絡があったのは今年の3月である。
『化粧品にして売ることにしました』…あながち有り得ない展開ではないが、え。。。。という感じ。
以下次号。
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