なんちゃって技術
家の鍵をなくした。
無くした場所は2箇所ほど思い当たるのだが、いずれも家から遠いし、泥棒が入る心配はないのだが、ひとり1個持ってた物が無くなるというのは、不便極まりないので、さっさと作らねば。
3日と空けずに行く近所のスーパーの入り口近くに、いつも磨り減っちゃった靴底や、合鍵を作って貰う小さなスペースの修理店がある。
義母から借りた鍵をカウンターに置き、今後の事もあるので、2つお願いしようとしたら
『これは。。。どこの鍵でしょう』
『へ?・・・うちの玄関ですが』
『外国製ですか?』
『はあ?・・・あのー、お留守番の方?』
『いえ、変わったんです』
そーゆうことか。。。
そこに、もう一人の女性客が傘の修理を頼もうとやってきた。
『あら?傘やめちゃったの?』
『はい、やってないんです』
確かに私が持ってきたのは、マスターキーではない。
てか、外国製なんかじゃあ絶対に無い今住む家を中古で購入した際に、ここで作っていただいたものである。
『ここにね、こういうメーカ名が書いてないと作れないんですよ』
と、分厚い本を引っ張り出して説明しだした。
前のおじさんだったら、
『これマスターキーじゃないから、もしかしたら合わないかも。そしたらまた持ってきてね』
とかなんとか言いつつ作ってくれたんだけど。
鍵屋さんまでフランチャイズ化されてるらしい。
どうも、ある程度ご年配に見える方が年季の入った作業着に身を包んでいると、技術も年の分だけあるように見てしまい、裏切られるケースが多く、
つい先日も、娘に自転車を購入した際、ハンドルが曲がったまま納車しようとしたおじさん相手に主人がキレた。
購入したのは、夕方少し前。
整備に時間がかかると言われて、数時間後に取りに行った。
整備表を一緒にチェックしながら
『ま、持ってきてくれればすぐみますけどね』
はいはいと聞き流して最後にサインをしたら、それまで黙ってた主人が自転車に跨いで
『お前、これで平気で納車する気?』
と茶々を入れてきた。
実は、購入前にも跨って、ちょっとハンドルが曲がっているのが気になっていたらしい。
それが直っているかどうかの意地悪でもあったのだが、どうも何度か繰り返して聞こえた
『ま、持ってきてくれればすぐみますけどね』
というのが気に入らなかった模様。
『お前、これで飯食ってる技術職だろ?
それは、これから俺の娘が命預ける乗り物なんだぞ?
ちゃんと自転車跨いで確認したのか?』
『見ましたけど、曲がってます?』
さらにどこかがキレる音を聞いた気がする。。。
すみません。今すぐ直しますって言えば済むのになあ。
けど、って言われたら、けど何だ?って聞きたくなるではないか。
暫くいじって、報告しにきた。
『直しました。今回は大丈夫だと思いますけど』
口癖って言えばそれ迄だが、おじさーん、そいつぁちょっと・・・という感じである。
しょうがないので、もう少し偉い人に出てきていただいた。
マネージャーと称する、明らかに我々よりも年齢が若いその方は、最初っから平謝りである。
『こちらもね、今後気をつけますので、って言われれば、もうそうしていただくしかないのは解ってるのよ?
なのに、その人、必ず言葉尻にケドってつけるから主人が引っ込みつかないで困ってんのよ。
あなた、なんとかしてちょうだい』
結局、それでも自転車のハンドルは微妙に曲がっていて、後日主人が叩いて調整していた。
所詮ハンドルなんて、そんな風に微調整するもんじゃあないの?と私は思うが、
職人風吹かせて、自分の仕事にプライドが持てないって点に腹が立ったというわけで、
鍵屋のおじさんに、その自転車屋のおじさんの影が重なるのであった。
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