それでいいのかセキュリティ
娘が卒業した小学校は、周辺の数ある小学校の内、家から一番近くにある・・・というのは、当然と言えば当然の事である。
通学していた頃は、授業参観や何たら発表会、運動会があると足を運ぶわけだが、たったか歩いて行けば、5分程で門を通る事が出来るだろう。
そういった学校行事で訪れた際には何の不思議もなく開いている門が、通常は登下校の時間帯しか開いていないと知ったのは、5年間逃げに逃げて、最後の年に1度だけなった学校委員の会合の時であった。
学校の門が施錠されるようになったきっかけは、大阪の小学校で侵入者による無差別な殺傷事件が起きたからだろう。
あっちこっちにある門全てが施錠されていて、用がある場合には門柱に設置されたインターフォンを鳴らして開けて戴き、帰りは自分で施錠解除のボタンを押して、制限時間内に門を出なければならない、というスリルある仕組みである。
その娘も早、高校2年生。何を今更古い話を引っ張り出して・・・と、そうではない。
この○○東小学校は、選挙がある時には投票所となるし、何かあった際の広域避難所でもあるのだが、歴史としては30年と少し。
新しい宅地が開けて、子供がうんと増えた頃に、元ある小学校名に東や西や南を付けて、順に分けていった内の1つだと思われる。
なので、それよりもっと昔からこの地に住んでいる人達が慣れ親しんだ小学校は、もう少し離れて別にある・・・というのを薄らとは知っていても、駅やスーパーとまるっきり反対方向なので、20年住んでいてほんの数年程前迄、見た事もなかった。
勿論、用も無いのに見に行ったわけではない。
学校委員もそうだが、町内会だとか、地域の何かをするというのは、年間何度となくあちこちで開催される『活動』における『頭数』になるという事なのだ。
搬入、搬出、設営、撤去と主催側の手伝いをしたり、椅子を埋める桜になったり、意見交換であったりを、お茶か水のペットボトル1本で動く。
そういう集まりに、よく○○小学校を提供していただくのであった。
その日は、地域の民生委員や保護司が中心のミニ集会が行われるという事で、お声が掛かり行く事にしていた。
開催地は、上記で説明した元ある古い○○小学校の図書室である。
当日の朝、起きた頃は、確かにそこにいくつもりでいた。
ところが何をどう思ったのか、出る1時間前、私の頭の中は○○東小学校行きにすり替わってしまっていたのだ。
○○小学校迄は、歩いて20分程度だが、余裕をもって30分前には出ないといけない。
しかし○○東小学校ならば、校舎内でも15分あれば充分、というわけで、家を出たのが15分前であった。
門柱のインターフォンに顔を寄せ、
『○○のミニ集会に参加する者です』
と言うと
『はい、どうぞ~』
と門は開いた。
図書室ってどこだっけ?もう時間がないから誰かに聞こう、と事務室のドアを開けて尋ねた。
『○○のミニ集会に参加する者ですが、図書室はどちらでしょう?』
指差しながら教えて下さったのでスムーズに図書室に着いた。
定刻3分前である。
が、図書室を覗くと、生徒が2人程本を読んでいる光景と静まり返った空気の音。
そこで徐に案内を確認して、
『・・・え?』
初めて開催地を間違えている事に気が付いた。
走ったところで遅刻は遅刻だというのは言うまでもない。
ヤバいよね~。
私もヤバいけど、学校も相当ヤバい。
その日有りもしない集会名を言って、何の疑いもなく鍵を開けてくれるって、どうなんだろう・・・。
あの鍵は意味を成しているのだろうか・・・と、心配しながら急ぎ足の私であった。
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