年に1度程度の家族旅行(その3 梯子しました)
ススキの時期には、波打つように風にそよぐ穂の間を、沢山の人の頭が思い思いに移動してゆく光景の仙石原は、今の季節、ただ青々としていた。
仙石原には美術館が点々としている。本日は、4件梯子の予定である。
ひとつめは私のリクエストで、ポーラ美術館。
9月迄シャガール展が開催されている。…というのを、来る前の日に知り、急遽加えた予定であった。
絵画を『理解』しようと観る主人には、シャガールは難解だったようである。理解できたか出来ないかで言うなら、私にも理解などできていないのだと思う。
けれどシャガールの放つ色は大変綺麗なのだ。そして、人の顔や形はどうでもいいのだが、馬や鳥の表情にとても惹かれるものがある。なんだか、超天然色のタロットカードに描かれた悪魔みたいなんだもの…。
土産屋を見つければ義理でもあるかのようにじっくり観て歩く娘が一緒である。ここ迄で既に2時間の時が流れていた。前途は厳しい。
ふたつめはガラスの森。
前回いつ来たか忘れたが、確か数年前、友達とふたり日帰り温泉の旅の途中で寄ったのだと記憶する。
家族と来たのは、10年以上前。娘がとっとこ歩くのを追いかけつつ、なんでこんな危なっかしい子供連れてるのに寄るんだか、と何を見たかよく覚えていない状態であった。
いつ設置したんだか、ガラスのツリーやらトンネル遊歩道やらあって、雨上がりの雫と霧が更に幻想的な景色にしていた。
ここでは指輪展が開催されていて、マリーアントワネットの遺髪が納められたリングや、ルーペを覗きながら描いたと思われる肖像画つきのものなど、ひとつのケースの前で観る事が出来る人数が限られる、ストレスが溜まる展示会であった。
当初娘は、ここで何か自分にお土産をゲットする予定だったのだが、欲しいと思うものは高価過ぎて、溜息を連発しつつ建物を後にした。
3つめは、星の王子さまミュージアム。
娘のリクエストであったのだが、今回の美術展巡りでは、ここに一番の収穫があったと思う。
ちなみにここは、何とかランド風な造りの建物で、つくりものの異国情緒が溢れている。さらさら霧が晴れる様子はなく、まるで夢の中でおとぎの国を散歩しているようである。
日本での著作権保護期間が2005年に満了を迎えた際に話題になった時でさえ、私には、ふーん程度の興味しかなかったのだが、この作品を私は実家の本棚に見ていた。物見高い姉のおかげで、色々なものをかじってこれたように思う。読むには至らなかったのだが、パラパラと捲った記憶はある。
その作者が、こんな日産の社長カルロス・ゴーン似の航空冒険家だった事や、この作品は彼の人生そのものだった事や、その挿絵までも彼が描いたものだった事を知り、謎解き本まであるこの作品を改めて買って帰り、読んでみようと思う私であった。
ポップアップ絵本まで買っちゃった…。
さて、ここで午後3時。遅めの昼食には、そこここの看板で見る『麦とろご飯』がどうしても食べたい。
カーナビで調べても、携帯見ても的確な情報は得られず、適当に寄るつもりで駐車場を出たら数メートル先に定食屋を見つけた。
灯台下暗しである。。。
最後は義母のふたつめのリクエスト、ラリック美術館。
NHKの迷宮美術館で紹介されたのを見て来てみたくなったらしい。香水瓶を始め、ガラス工芸品や建築装飾品など『ほー』というものばかりだったのだが、さすがに4つも廻ると、くたびれてきて見方が雑になってゆくのがわかる。
とりあえず制覇した、という感じであったが、最後に寄った土産屋さんで、なんだか、あえてここで売らなくても…みたいな品を多く見つけ、また、それに載せられて『いちごのお砂糖』なるものを購入してしまった。プレーンヨーグルトにかけると、苺味の甘みがついていいかも…なんて。
結局、傘を使ったのは、最初ポーラに入館した時だけに止まり、年に1度程度の家族旅行は、無事に幕をおろしたのであった。
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は、いつ出発して何泊するかを数字で入力し、出発と到着の空港を選んで、大人と子供が何人か等必要事項の入力を終えたら、どの辺りに泊まりたいのか地図でクリックするだけで、候補ツアーがトータル金額の一覧表で出てくる。うち用特製パンフレットの出来上がりである。勿論、出発時間も自由に選べるし、この時間だと400円増しだとか2,000円増しだってのも一目瞭然だし、何しろ、旅行会社のお姉さんが時刻表と、ツアー表と、パソコンの画面を睨めっこしてやってるのを、ハラハラドキドキしながら何10分も待ってた過程が、自分で、あっと言う間に出来るって…そりゃぁ楽しい、てか楽ではないですかっ



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