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「読書の秋!あなたのオススメの一冊を教えてください。」
短編集でどれも面白かったんだけど、久しぶりに、これぞ萩尾望都って世界を叩き付けられて、暫く立ち上がれなかったのが『柳の木』である。
読んだ後、巻末にあった小学館のWEBアンケートに意味もなく答えている自分がいた。ああいう作品を目にしちゃうと、妙に何か自分もしなくちゃって、焦るというか、そわそわ感が身体を巡ってしまうのである。
最初から最後まで一切の言葉を発する事なく、柳の木の元を動かず、見上げる土手の上を過ぎてゆく人々の時の流れにも言葉という音がないのに、声まで聞こえてきそうな情景である。
どうして彼女が心を残した姿となり、ずっとずっと彼を見守るようになったかという説明はない。
小さな彼は、色々を経て大人になり、壮年を迎えた頃、彼女に話しかける。彼は、ずっと彼女の存在を感じていた事を告げ、彼女に安心を与える。
『ぼくはもうだいじょうぶだよ お母さん』
彼女の目から大粒の涙が溢れ、柳を揺らす風に同化してしまったように彼の前から永久に消え、残された彼は、彼女のかわりに柳を抱くようにして泣くというお話。
いやー…まいりました。
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